ヴェブレン効果とは?バンドワゴン効果やスノッブ効果との関係も紹介

見せびらかしたい欲を満たす行動心理学のヴェブレン効果とは?

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  • 公開日2019年7月22日
  • 更新日2019年9月12日

普段、私達は消費者として商品を購入したりサービスを利用したりする際に、意思決定を行なう場合様々な心理的現象が作用します。

その心理的現象の1つとして、挙げられるのがヴェブレン効果です。

今回は、ヴェブレン効果の意味や活用法・具体例、また同じく意思決定に関わるバンドワゴン効果、スノッブ効果との違いや相関関係について紹介します。

ヴェブレン効果とは?

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ヴェブレン効果とは、有閑階級の理論とも呼ばれ、製品価値が高いほど商品やサービスの需要が高まるという心理学的現象の1つです。

「需要が高まる」というのは商品の需要そのものが高まるという意味ですが、それを購入した消費者の満足感や優越感も高まるという意味も含まれています。

もっともわかりやすい例はブランド品です。

ブランド品のバッグやジュエリーを購入すると、ついつい見せびらかしたくなるかと思います。

購入者にとって、ブランド品そのものの機能性や製品の価値というものはそれほど重要ではなく、それ以上に希少性やブランド名、価格が価値になるのです。

つまり、希少性の高いものを買って「見せびらかしたい」という顕示欲によって高価なモノの需要が増える現象をヴェブレン効果と言います。

価格が高くなると需要が増加する?

一般的には、価格が高くなると需要は減少すると思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし、見せびらかしたいといった人間が持つ自己顕示欲によって、逆に需要が増加する場合があります。

つまり、製品・サービスの必要性や実用的な価値ではなく、その製品・サービスの価格や希少性が価値になるのです。

顕示的消費は次のような行動心理によって行われています。

・見せびらかしたい⇒価格の高いものを買う
・優越感に浸りたい⇒希少性の高いものを買う

もし、エルメスの革製品が数千円で販売されたとすると、逆に買わなくなる人も一定数いるということです。

このように製品・サービスの必要性や実用的な価値だけでなく、それらを購入したり利用したりすることで周囲から羨ましいと思われるように意識して行う顕示的消費行動と言えるでしょう。

ヴェブレン効果の由来とは

ヴェブレン効果は、アメリカの社会学者であり経済学者のソースティン・ヴェブレン氏の名前から由来して名付けられています。

ヴェブレン氏は有閑階級と言われる富裕層などのお金持ちの消費行動について研究している学者です。

ヴェブレン氏の論文である「有閑階級の理論」では、高級なブランド品や希少性の高いものを購入する顕示的消費について言及しています。

ヴェブレン効果の具体例

ヴェブレン効果の具体例として、挙げられるのが高級車です。

ロールスロイスやランボルギーニ、フェラーリなど世界中には何千万円もする高級車があります。

一般市民には到底手の届かないモノですが、お金持ちの人の間でごく普通に売れているのです。

もちろんコレクションのために高級車を集める方もいますが、大半の場合それを実際に町中で乗りこなして、人々に見せびらかすために購入します。

また、高級な有名ブランドでなくても、ヴェブレン効果作り出すことができます。

例えば、コンビニなどで取り扱う「プレミアム商品」などが挙げられます。

コンビニで並べられている同じような商品よりも少し高級感を持たせて、値段を高く設定することによって、少し贅沢な商品というイメージを与えることができます。

そうすることで、値段は少し高いが手を出せない価格ではないため、少し贅沢したい人にとってはプレミアム商品を購買する動機になります。

このように「少し贅沢な商品」を企画することでも、ヴェブレン効果を見込むことができると言えるでしょう。

ヴェブレン効果の活用法

会議室

ヴェブレン効果は、顕示欲によって生じる心理的現象であるため、ネガティブな意味として捉えられがちですが、それをうまく利用すればマーケティティングなどビジネスの現場で活用することができます。

ここでは、ヴェブレン効果の活用法について、具体例を2つ挙げて紹介します。

活用法①:商品のパッケージなどに高級感を持たせる

ヴェブレン効果の活用法としてまず、商品のパッケージなどに高級感を持たせるという方法が挙げられます。

例えば、商品のパッケージ素材を固めのものを使ったり、黒や金・銀などの色を取り入れることによって高級感というものを演出することができます。

また、商品のパッケージだけではなく特別なブースを用いて商品の配置をしたり、その販売方法を工夫したりすることによっても、高級感を演出しヴェブレン効果を見込むことができます。

活用法②:ブランド化をする

商品やサービスをブランド化するということも、ヴェブレン効果のマーケティングにおける活用法の1つとなります。

例えば、販売する商品に共通のロゴやマークを取り入れたり、ブランドシリーズとして商品の販売を行ったりすることによって高級感を演出することができ、消費者に満足感を与えることができます。

このように統一感を持たせて高級感を演出することによって、消費者の行動心理を揺さぶることができるでしょう。

ヴェブレン効果の注意点

ヴェブレン効果をうまくマーケティングに取り入れることができれば、消費者の購買意欲を刺激し効率的に利益を伸ばすことができます。

しかし、ヴェブレン効果には注意点があり、商品を販売する市場のターゲティングをしっかり行わないとその効果を発揮することはできません。

ターゲティングとは、市場に対して細分化を行いターゲットを絞って、マーケティングを展開することです。

そのため、ヴェブレン効果を活用する際にはどの市場に、どれくらいの価格帯で商品を提供するのかといった調査が欠かせないでしょう。

バンドワゴン効果・スノッブ効果との違いや相関関係

アーキテクチャ

ヴェブレン効果と同様に、消費者の意思決定に影響を与える心理的作用にバンドワゴン効果、スノッブ効果というものがあります。

バンドワゴン効果とスノッブ効果との違いや相関関係について見ていきましょう。

バンドワゴン効果とは?ヴェブレン効果との相関関係

バンドワゴン効果とは、例えば流行りものなど「みんなが持っているから私もほしい」「流行に乗りたい」というような「共感」「共有」欲求によって意思決定をする現象です。

例えば、「今話題の〇〇」「あの有名人も愛用している〇〇」といったセールスコピーを目にすると、ついつい買いたくなるのはこのバンドバゴン効果が原因です。

バンドワゴン効果は、ヴェブレン効果の対極的な要素があり、ヴェブレン効果は希少性やブランド力というのが主な要素になっているのに対し、バンドワゴン効果は、流行りや他者との共有というのが主な要素になっています。

バンドワゴン効果についての詳しい内容は、こちらからご覧ください。

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スノッブ効果とは?ヴェブレン効果との相関関係

スノッブ効果も同じく人の意思決定に大きな影響を与える現象の1つで、「他人とは違うものがほしい」「特別になりたい」という差別化意識によって意思決定をする現象です。

バンドワゴン効果の反対の意味としてしばしば使われ、流行りものなどみんなが持っている、使っているものではなく、「自分だけの特別なものがほしい」ということがスノッブ効果の基本にあります。

例えば、「〇〇個限定」「世界に〇〇個だけの〇〇」といったセールスコピーを用いることによって、マーケティングの現場でも幅広く活用されています。

ヴェブレン効果との相関関係として、「希少性」に釣られるということは共通していますが、「ブランド」という要素に関しては相反する要素となっています。

スノッブ効果についての詳しい内容は、こちらこらご覧ください。

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ヴェブレン効果について|まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、ヴェブレン効果とは何なのか、その意味や活用法、具体例について詳しく紹介しました。

ヴェブレン効果とは、ブランド品や高級品など、希少性や商品価値が高いほど、その製品の需要も高まるという効果です。

ヴェブレン効果は「見せびらかしたい」という顕示欲によって作用するもので、マーケティングの現場でも導入されています。

実際にマーケティングの現場で活用する際には、「どんな商品をどんな客層に提供するのか?」ということを念頭においた上で、バンドワゴン効果やスノッブ効果と使い分けて活用しましょう。

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